2006年 07月 08日
本当に久しぶりの更新です(すいません)。 今回取り上げるのは、Native Instruments社の10周年記念として特別バンドル版で登場いたしました、「KONATKT 2 クロスグレード・バンドル」です。 現在、NIのKOMPAKTエンジンやINTAKTエンジンを積んだ、3rdパーティー製のソフトウェア・インストゥルメンツが数多く発売されております。 発売しているのは、Art Vista、Best Service、Big Fish、East West、Garritan、Zero-Gといったメーカーです。 これらのメーカーは、いわゆるサンプリングCDメーカーとしての歴史をもつメーカーで、これまでにAKAIやEMUなどのハードウェア・サンプラー用のライブラリーを数多く発売してきました。 これらサンプリングCDメーカーのライブラリーとNI製のサンプラー・エンジンを結合させることで、ハードウェア・サンプラーでは考えられなかった、数(十)GBもの大容量ライブラリーを有するプレイバック・ソフトサンプラーが、今では主流になっています。 今回ご紹介する「KONTAK 2 クロスグレード版」は、これらNIのサンプラー・エンジンを積んだ3rdパーティー製ソフトウェアをお持ちの方のみ使用できる、特別パッケージの「KONATK 2」です。 (3rdパーティー・ソフトウェアと同じユーザーアカウントでないとオーサライズができません。) 一見単なる優待販売にも見えますが、3rdパーティー製NIエンジンのソフトを複数お持ちの方には、大変意義のあるクロスグレードになります。 NIのサンプラー・エンジンを積んだ3rdパーティー製ソフトウェアに含まれるライブラリーは、もちろんNIのKONTAKT/INTAKTフォーマットで収録されています。 これらNIエンジンの3rdパーティー製ソフトウェアがオーサライズされているマシンにKONTAKT 2をインストールすると、KONTAKT 2で、3rdパーティー製のライブラリーも自由に読み込むことが可能になるのです。 NIから発売されている「Akoustik Piano」「Elektrik Piano」「Bandstand」も実はKONTAKTフォーマットを使っており、KONTAKT 2での読み込みが可能です。 (Akoustik Piano、Bandstandの読み込みには、Kontakt 2.1以上が必要です。) KONATK 2に積まれているデータベース・エンジンを活用すると、以下のようにKONTAKT 2のクイック・ロードに、3rdパーティーのライブラリーを表示させることも可能です。 (ただ、以下の状態ほど多くのライブラリーを登録すると、リストの表示が極端に遅くなりますので、全てを登録するのはお薦めいたしません。) 3rdパーティー製プラグインに含まれるKOMPAKTは、プラグイン1個につき最大で8パートまでのマルチティンバー、INTAKTは1個につき1パートまでになってしまいますが、KONTAKT 2でしたら、プラグイン1個で16パートまで使用可能になります。 例えば1つの「KONTAKT 2」の中で、Best Service「Artist Complete」収録の単発ドラムやドラムループで基本のドラムパターンを作り、East West「Hardcore Bass XP」にベースを担当させ、上モノのパーカッション・ループをはZero-G「Sounds of 70s」で、バッキングのピアノとエレピはArt Vista「Virtual Grand Piano」とNI「Elektrik Piano」で、ストリングスはEast West「QLSO Gold Edition」で、ブラスはBest Service「Chris Hein Horns」で、さらにEast West「Colossus」で上モノを装飾、とどめのヘビーギターはBig Fish「Raising Guitars」で、なんてことが可能なのです。 (正直、あまりあり得ない組み合わせかもしれませんが、あくまで例ですので。) KONTAKT 2へ読み込むことで、スクリプトを含む高度なエフェクト処理による音作りはもちろんのこと、サンプルのマッピングの組み替えも可能になりますので、KONTAKT 2を導入することの恩恵は非常に大きいと言えると思います。 それではパフォーマンス面での恩恵はどうなのでしょう? KONTAKT 2は、先日バージョン2.1のダウンロードが開始され(現在はバージョン2.1.1)、ハードディスク・ストリーミングのCPU負荷を含む、全体のパフォーマンスが大幅に改善されました。 デュアルCPUへの最適化も強化されています。 そこでEast West QLSO Silver Editionを使った実験を行ってみました。 EWQLSO Silverのライブラリーを合計28パート使ったフルオーケストラのソングデータをLogic Pro 7.2上で走らせ、EWQLSO Silverのプラグイン(バージョン1.0.8)を4つ使って再生した場合と、Kontakt 2(バージョン2.1.1)を2つ使って再生した場合の、CPU負荷がピークの時のパフォーマンス・メーターを比較してみました。 再生に使ったマシンは、Power Mac G5 2.5GHz Dual(3GB RAM)です。 EWQLSO Silver Edition(バージョン1.0.8) 4つの場合 Kontakt 2(バージョン2.1.1) 2つの場合 実はこのCPUメーターの差だけではお伝えできない違いとして、ハードディスク・ストリーミングのパフォーマンスがあります。 3rdパーティー製ソフトウェア付属のKOMPAKTを使った際に、CPU負荷的には問題なくても、ストリーミングの能力が追いつかず、「プチッ」とノイズがのってしまった経験をお持ちではないでしょうか。 KONTAKT 2.1はこのストリーミングのパフォーマンスが著しく改善されました。 KONTAKT 2.0では全く再生できなかった、EWQLSO Full Edition 28パート使用の激重のデモソングが、KONTAKT 2.1にアップしたところ、ほとんど再生できるほどにまでなりました。 EWQLSOなどのオーケストラ系KOMPAKTプラグインをお使いの方は、KONTAKT 2の導入の恩恵は非常に大きいです。 今回ご紹介したかった「KONATKT 2 クロスグレード・バンドル」は、3rdパーティー製のKOMPAKT/INTAKTエンジン・ソフトをお持ちの方には、本当にお薦めの商品です。 NI10周年記念のキャンペーン期間中(2006年9月10日まで)は、NIの「Akoustik Piano」「Elektrik Piano」「Bandstand」からのクロスグレードも可能です。 おまけに「KONTAKT EXPERIENCE」「KONTAKT 2 TUTORIAL DVD」もバンドルされています。 (「TUTORIAL DVD」は、英語/フランス語/ドイツ語版になります。) NIエンジンのソフトを全くお持ちでない方には、この機会に、廉価なKOMPAKTエンジンのソフトウェア(例えばArt Vista「Virtual Grand Piano」)と、「KONATKT 2 クロスグレード・バンドル」を購入するなんて方法も考えられます。
by music_drec
| 2006-07-08 03:19
| ソフトウェア検証
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